こんにちは、中元 礼子です。
小春日和の週末でしたね。
紅葉している場所もありますが、ご覧になりましたか?
私はこの週末、亡くなった父の骨をお墓に納骨するため、実家のある福岡にいました。
霊園の木々が紅葉していてとても美しく、
「よかったねー お父さん。」といいながら。
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生前父は「坊さんは呼ばなくていい」と常々言っていたので、葬儀も家族だけで。
初七日や四十九日も、ただ家族で手を合わせただけ。
妹の夫は対照的に、きちんと法事をする流儀なので、
「え?!お義父さん、戒名つけないの?」
「え?!お坊さんこないの?」と 事あるごとに面食らっていましたが、
こんな人種もいるのか・・と、母や私たち姉妹にだんだんなじんできたこの数か月。
この日の納骨に備え「チ~ン・・」とやるお鈴なぞを珍しく準備し墓地に来た母が、
しかしながらお鈴を叩く棒を忘れており、
皆で「やだもうおかあさん、アハハー」なんて笑い合っていると
「あ、これでどうですか?」と、くだんの妹の夫が
チャッカマンの黒い棒の部分で叩いてお鈴をチーン!と鳴らしてくれました。
チャッカマンで鳴らすお鈴は元気がよく、
皆で「意外にイケるね!」なんて言いながら 笑。
そこまではまあ、よかったのですが・・・。
いざ墓を開け、地下壕に父の骨壺を並べたあとで妹の夫がひとこと。
「お義父さんの名前、骨壺に書いてあるよね?」。
その言葉に私たち女どもが「あ(・∀・)。」という顔をしていると
「えーー!!(←義弟の のけぞった姿をご想像ください。)
名前を書いてなかったら、何十年か経ったら誰のお骨か分からなくなるやん!!」
とさすがに呆れた様子。
「そうやったそうやった!」と うっかり者の私たちは
居合わせた石材屋さんに油性ペンを借り、
母はしゃがんで骨壺の蓋の裏に苗字を書き始めました。
先祖の苗字は皆一緒なのに母、大きな字で「三宅・・」と書き始めたものですから
肝心の父の名前まで字を書くスペースがあるかどうか?
母の手もとをドキドキしながら見守る子どもたち夫婦。
母は子どもがお習字をする時のように 真剣に伸び伸びと、
意外にうまく父の名前まで収めて書き上げ、“はい”と石材屋さんに骨壺を手渡しました。
「では、閉めていいですか?」と石材屋さんに訊かれ、
墓石を開ける機会なんてそうそうありませんから
私と高校生の息子は狭い地下壕にもぐってみます。
何十年かぶりに光の射したであろう地下壕にもぐり込み、
祖父母、叔父、叔母たちの横に並んだ父の静かな骨壺を前に、深呼吸。
よい体験でした。
目の前は黄泉の国にいる、今はもの音ひとつたてない人たち。
いつでもヒョイッと移れる近さで死後の世界を感じられると、
命あるこの時間が輝いて感じられますね。
せんじつ開いた読書会の折、
ある方が紹介してくださった本のフレーズに
「なにかを諦め、惰性で毎日を過ごしているのは半分死んでいることと同じ」という文章があり、ハッとしたのです。
私たち、たんに身体が動くだけでは“生きている”とは言えないのですね。
「ほなサイナラ」とこの世を去るその日まで、
知らなかったことに出会え、
できなかったことが出来るようになり、
うつくしいものに こころ震わせて生きたい。
そんな想いを抱いておられる方に喜ばれる時間をつくるべく、読書会を開いています。
こちらはそんな時間を生むきっかけになってくれるのでは?
という発想から、取り上げたいなと考えている雑誌。
いま計画中ですので、サービスが出来たらご紹介しますね。
今週もよい時間に。
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発行責任者 中元 礼子
\ひさしぶりにリアル読書会開きまーす(∩´∀`)∩/
濃い時間を楽しみたい女性のための、「読書会の開き方」
ツルの越冬地、鹿児島県出水市にて11月29日(火)開催
*配信停止は下記からできます
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